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プロダクト・バイ・プロセスクレームについての最高裁判決

カテゴリ:コラム投稿日:2015年6月11日

 

プロダクト・バイ・プロセスクレームの権利範囲の解釈についての最高裁判決が6月5日に出されました。(平成24年(受)第1204号)

 

知財高裁で争われていた事件(平成22年(ネ)第10043号、以下「控訴審」という)の判決を不服として上告されていた事案です。

 

最高裁の判決は、原判決を破棄し、知財高裁に差し戻すというものです。

 

控訴審では、基本的に物のクレームが製造方法の限定を含む場合、権利範囲はその製造方法で作られた物に限られるとの趣旨の判決が出され、決着したかに見えました。

 

2012年4月10日の、日本知的財産協会のコラム「ちょっと一言」では控訴審の判決を受けて、

 

「結局、『「プロダクト・バイ・プロセス・クレーム」は、製造方法クレームと同じと解釈される』ということになるのではないでしょうか。」と書いていました。

 http://www.jipa.or.jp/coffeebreak/hitokoto/hito1204-2.html

 

また、以前のコラムで紹介した高林先生の「標準特許法」(第5版)でも、控訴審判決を引用して、

「今後は実務(判例)においても原則として製法限定説が採用されると予想される」(146頁)と書かれています。

 

そこへ、ちょっとおどろきの破棄、差し戻し判決です。

 

特許庁ではこの判決が影響する論点を含む審査、審理をしばらく止めて、審査基準の改定も検討すると発表しました。

http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/product_process_C.htm

 

弊社でも、調査結果分析(特に侵害予防調査)のコメントを、上記最新判決の趣旨を踏まえて作成してまいります。

 

以上