• コラム
  • 【関西だより】京都・祇園甲部の「都をどり」

    京都といえば、可愛らしい舞妓さんの姿が思い浮かびます。その舞妓さんの舞や踊りを鑑賞できる機会として、定期的に催される舞踊公演があります。今回は、毎年4月1日から約1ヶ月にわたって開催される「都をどり(みやこ をどり)」を観てきました。

    (歌舞練場 会場入り口)
    (「都をどり」看板)

    京都には5つの花街(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)があり、春や秋に各花街で舞踊公演が開催されています。最も大きな花街の祇園甲部で催されるのが「都をどり」です。
    多くの参拝客で賑わう八坂神社の近く、花見小路の先にある「祇園甲部歌舞練場」(ぎおんこうぶ・かぶれんじょう)が会場となり、期間中は「つなぎ団子」の模様が描かれた赤い提灯が店先などに掲げられ、春の風物詩となっています。

    (花見小路)
    (祇園甲部歌舞練場)

    「ヨーイヤサァー」で始まる春のおどり

    舞台は「都をどりは ヨーイヤサァー」の掛け声と共に、浅葱(あさぎ)色の着物をまとった舞妓さん達が左右の花道から登場するシーンから始まります。それから幕を降ろすことなく約1時間、芸妓さん舞妓さんによる華やかな舞台が繰り広げられます。

    (緞帳と格子天井、花道)
    (令和7年度 総おどり衣装)

    舞台の両袖には花道が設けられ、その後ろに芸妓さん達が並び、舞台の舞に合わせて、三味線や唄、笛・鼓を奏でます。普段聞くことのできない芸妓さんの演奏を楽しむことができるのも、都をどりの醍醐味でしょう。

    舞妓さんが纏う揃いの衣装ですが、色鮮やかな京友禅の着物と西陣織の帯は毎年新調されるそうです。水色の生地に、着物の肩から伸びる枝垂れ桜のデザインは変わらず、袖の袂と裾の絵柄が年により変わります。今年の着物は、蛤(はまぐり)と波頭を中心に四季の草花がちりばめられ、帯は、梅と桜の花の紋様が重ね合わせたデザインとなっていました。

    お茶席:とらやの薯蕷饅頭「春の日和」と「だんご皿」

    「都をどり」のチケットはWEB購入のほか、日によって当日券も販売されます。お時間に余裕があれば、ぜひお茶席付のチケットをご購入ください。

    歌舞練場のお庭を散策でき、芸妓さん舞妓さんのお点前を見ながら、お菓子(とらや)とお抹茶(一保堂、森半、等の日替わり)を頂くことができます。お菓子がのった皿は、提灯つなぎの団子がデザインされており(通称:だんご皿)、記念に持ち帰れます。緑・赤・青・茶・白の5色、色違いを楽しみに毎年集める方もいらっしゃるそうです。

    (だんご皿:裏に「都をどり」と書かれています)

    ◆祇園甲部歌舞練場 〒605-0074 京都市東山区祇園町南側570-2