【関西だより】師走の京都~「今年の漢字」「知恩院の大鐘」
清水寺で発表される「今年の漢字」
京都の東側に位置する清水寺は、京都の街から見える朱色の三重塔や、断崖に建つ「清水の舞台」などで知られており、国内外から多くの人が訪れる場所となっています。
紅葉時期は、周辺の坂道は人がすれ違うのもやっとという人混みですが、今回訪れた日は落ち着いて境内を巡ることができました。

さて、日本漢字能力検定協会が毎年募集している「今年の漢字」は『熊』が選ばれました。
ニュースなどで、清水寺の森清範貫主が、漢字の一文字を揮毫(きごう)される様子をご覧になった方も多いでしょう。同協会の本部が京都にあり、清水寺はその京都を代表する寺院の一つであることと、国内外の方を問わずよく知られている場所であることから、清水寺が発表場所として選ばれているそうです。

ご本尊に奉納された「今年の漢字」の大書は、本堂で12月22日まで公開されています。縦1.5mの大きな和紙に書かれた、力強い筆使いを間近で見ることができました。(12月23日からは漢字ミュージアムに展示されます。)

◆音羽山 清水寺 〒605-0862 京都市東山区清水1丁目294
知恩院の「大鐘楼」~17人で撞く除夜の鐘
知恩院の「三門」は、高さ24m、横幅50mの国内最大級の木造の門で、掲げられている「華頂山」の額の大きさは畳2畳以上あります。

寺院の門は「山門」と書くのが一般的ですが、知恩院の門は、「三門」と書きます。
「空門(くうもん)」「無相門(むそうもん)」「無願門(むがんもん)」という、悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす門(三解脱門:さんげだつもん)を意味しているそうです。

境内から少し上がったところには「大鐘楼」があり、高さ3.3m、直径2.8m、重さ約70tの釣鐘が設置されています。


大晦日にNHKの番組「ゆく年くる年」でご覧になった方もいらっしゃるでしょう。親綱1人・子綱16人の17人が「えーいひとつ」「そーれ」の掛け声のもと、ダイナミックな動きで大鐘を撞きます。
「除夜の鐘」当日の現地観覧は事前申込み制ですが、YouTubeの公式チャンネルで中継されますので、お時間があえば是非ご覧ください。

三門を通った先には「男坂」の石段が続きます。今回訪れた際は、石段の手前に、関西万博・アイルランド館の彫刻「Magnus RINN」が公開されていました(2026年9月末までを予定)。
アイルランドの作家の方が、知恩院を訪れた際に建物や境内のたたずまいに惹かれたことから、期間限定で展示されることになったそうです。
◆浄土宗総本山 知恩院 〒605-8686 京都市東山区林下町400