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  • 【関西だより】京都迎賓館 ~開館20周年ガイドツアー

    京都迎賓館は、海外からの賓客をお迎えし、日本への理解と友好を深めていただく施設として、平成17年(2005)4月に開館しました。昨年に開館20周年を迎え、日本建築の伝統技能が随所に活かされた建物と庭園を参観できるガイドツアーが実施されています。

    今回参観した時期は、20周年の記念として、各部屋に京都迎賓館にゆかりのある重要無形財保持者(人間国宝)3名の作品とその継ぎ手の作品も展示された、特別なガイドツアーとなっていました。

    (京都御苑・清和院休憩所)

    受付後に荷物を預け、セキュリティチェックを受けたのち、京都迎賓館へ向かいます。

    晩餐会や歓迎式典の会場「藤の間」

    京都迎賓館で最も大きな部屋「藤の間」です。壁面は「藤の花」などの草花が「綴織り(つづれおり)」の技法で織られた織物で装飾され、床に敷かれた手織りの絨毯、緞通(だんつう)は花が舞い散った様子が表現されています。

    本美濃紙と京指物による格子光天井の照明は三段の笠になっており、高さを変えることで様々なパターンの照明を演出できるそうです。

    (作品名「麗花(れいか)」)

    部屋の左側には舞・能・雅楽などの日本の伝統芸能が披露される舞台があり、その舞台扉は人間国宝が手がけた截金(きりかね)の作品で、金箔とプラチナ箔で繊細な紋様が描かれています。

    (舞台扉 截金作品「響流光韻(こうるこういん)」)

    和の晩餐室「桐の間」

    和食を提供する部屋には、漆黒の艶が輝く漆塗りの座卓(全長12mの一枚板です)と、「五七の桐」の蒔絵が施された座椅子(1脚ごとに紋章「五七の桐」の色遣いが異なります)が並んでいます。

    伝統技法で織り上げた畳や欄間の装飾など、随所に伝統技法が用いられた贅沢な和の空間でした。

    (「桐の間」テーブルの下は掘り炬燵式)
    (雛人形「立大礼雛」が飾られていました)

    「桐の間」から庭園を眺めると、庇が大きく張り出しています。庭に降りる場所に梅の模様の石が置かれており、これは瀬戸内海地方の塩田で使われていたものだそうです。

    (「桐の間」から庭を眺める)

    庭園と池

    庭園は広い池を囲んで木々が配置され、東西の建物は「廊橋」でつながっています。池に泳いでいる鮮やかな色の錦鯉は、新潟県中越地震で被災した旧山古志村産の錦鯉を被災後に買い取ったものだそうです。

    (廊橋からの眺め)
    (池の水位に合わせて底が平らな「和舟」)

    池には、海外からの賓客に日本の文化「舟遊び」を体験してもらう「和舟」も用意されています。2011年、ブータン王国の国王王妃両殿下が来日された折に乗船されたとの案内がありました。

     

    約90分のガイドツアーは、ガイドの方の案内を無線イヤホンで聞きながら巡るため、説明を聞きながら快適に鑑賞することができました。全体的に控えめでありながら、壁や廊下、調度品に至るまで、繊細な仕事が施されており、洗練された美しさを知る空間でした。

    参観申込は前日までにWEBシステムから行いますが、定員に達しない回があれば、当日整理券が発行されることもあるそうです。日程等については、京都迎賓館のサイトやX(旧twitter)をご確認ください。

    ◆京都迎賓館 〒602-0881 京都府京都市上京区京都御苑23