• コラム
  • 書籍紹介「あっぱれ!日本の新発明 世界を変えるイノベーション」

    日本の「ものづくり」の総本山、産業総合研究所で開発された新技術とそれに携わる研究者を取材した本をご紹介します。

     「国立研究開発法人 産業技術総合研究所」(以下、産総研)は、日本の産業や社会に役立つ技術の創出や実用化に向けて研究開発を行う日本最大級の公的研究機関で、国内に12か所の研究拠点と約2,200名の研究者を擁しています。

     本書は、講談社ブルーバックス編集部(名付けて「ブルーバックス探検隊」)が産総研の研究現場を訪ね、そこにどんな研究者がいるのか、どんなことが行われているのかをリポートした記事(*)から、10テーマを取り上げて加筆修正された内容となっています

     *産総研マガジン「さがせ、おもしろ研究!ブルーバックス探検隊が行く」

    ブルーバックス探検隊/著『あっぱれ!日本の新発明 世界を変えるイノベーション』

    <目次・おもな内容>

    第1章 冷やすメカニズムを根底から変える!「磁気冷凍」という革命

    第2章 その力仕事、おまかせあれ!「ガテン系ロボット」いざ出動!

    第3章 300℃でもさわれる!レンガを進化させた「意外すぎるもの」

    第4章 エネルギー問題が変わる!日本の「地中熱」のすごい可能性

    第5章 世界初「どう剥がれるか」を撮影! 接着剤の謎が見えてきた

    第6章 その誤差、3億年に1秒!「光格子時計」は時間を再定義する

    第7章 まるで小さなブラックホール!「暗黒シート」はなぜそんなに黒い?

    第8章 クルマが「感情」を読む!「自動運転」の驚くべき未来図

    第9章 音楽の楽しみ方が変わる!「サビ」も探せる「音楽地図」

    第10章 「臭い」を除去して資源に!「プルシアンブルー」のすごい力

    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000386045

     冷蔵庫から音楽の楽しみ方、秒の再定義まで、産総研がカバーしている多様な研究分野から新しい技術が分かりやすく説明されており、私たちの生活・未来がどのように変わるのか、実用化に向けて日々取り組まれている研究者の熱意が伝わってきます。研究者が壁にぶつかったとき、問題解決の糸口になったのが産総研の他分野で開発された技術だった、というところに産総研の研究の奥深さを感じました。

    ◆ブルーバックス探検隊/著、産業技術総合研究所/協力
    『あっぱれ!日本の新発明 世界を変えるイノベーション』
    2024年1月発売/ISBN 9784065346938