関西知財セミナー『企業知財部という仕事のリアル』 受講報告
次のセミナーを受講しましたのでご報告します。
| 【主 催】 | 大阪工業大学 大学院 知的財産研究科 |
| 【演 題】 | 企業知財部という仕事のリアル |
| 【講 師】 | 友利 昴 様 |
| 【日 時】 | 2025年12月19日(金)18:30~20:10 |
| 【会 場】 | 大阪工業大学 梅田キャンパス (Web配信も実施) |
まず、導入部分で、
知財に関係する職務には様々なものがありますが、
「企業知財担当者」としての職務を選択した場合、そこにはどのような日常とキャリアが待っているのでしょうか。
企業知財担当者として、社内外のステークホルダーと良好な関係を築きながら信頼を得て、
楽しくキャリアを積み重ねるにはどうすればよいのでしょうか。
というテーマが紹介され、
次の項目に沿って、お話がありました。
1)特許事務所と企業知財部の比較
① 給料と残業
② 自分(自社)のためにやる知財業務か、他者のためにやる知財業務か
③ クライアントになるか、クライアントを持つか
④ 利害関係者の多寡
2)企業内の関係部門とウマくやる方法
① 研究開発部門とウマくやる方法
② 事業部門とウマくやる方法
③ 経営層とウマくやる方法
④ 取引先とウマくやる方法
※「ウマくやる」という表記は、講演資料の表記です。
そして、
社内外の仲間とともに共通の目標を目指して
みんなで最適解を見出していく。
その構造に気付けば、知財部という仕事は楽しい。
という結論で締めくくられました。
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私自身約20年間の企業知財部の経験があるので、たいへん興味深く聞かせていただきました。
例えば、2)①の「研究開発部門とウマくやる方法」では、
技術者からの発明提案に対して知財部員が「似たような先行技術があるのでこれでは特許になりません」と言うと、その発明者はその後発明提案を出さなくなるし、あまりおだてると、特許性のない発明提案ばかりを持ってくる、というジレンマを紹介し、全否定や全肯定をしないことが重要だ、とおっしゃっていました。
講演資料は共有できませんが、講師のご著書に、
『知財部という仕事』発明推進協会(※)がありますので、ご参考までにお知らせいたします。
(※)友利 昴/著『知財部という仕事』
発明推進協会/出版 ISBN 978-4-8271-1342-6
以上