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  • パテントセミナー2024 受講報告(1)

    日本弁理士会関西会主催のパテントセミナー2024が開催中ですが、次のセミナーを受講しましたのでご報告します。

    【演 題】ダイキン工業の知財取組み ~クリエイティブな知的財産部を目指して~
    【講 師】ダイキン工業株式会社 知的財産部長 弁理士 安部 剛夫 様
    【日 時】令和6年11月2日(土)14:00~15:40
    【会 場】大阪市 日本弁理士会関西会 会議室

    同社では海外での売上げが80%を超え、多地域にわたるビジネスを行っています。

    地域によってエアコンシステムの構造、構成が異なるため、1つのPCT出願からの展開ですべてをカバーすることが難しいというご苦労があるそうです。

    同社の基幹商品であるエアコンの需要自体は「今後30年で3倍になる」(国際エネルギー機関(IEA))との明るい予測がある一方で、地球温暖化抑制の観点から、温室効果の高いフロンガスや消費電力の抑制という社会的要求もますます強くなっています。

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    そこで同社がとった知財面での次の2つの対応を興味深く聞かせていただきました。

    ①R32空調関連特許の無償開放

    現行主流の冷媒であるR410Aに比べて温室効果が少なく、必要な難燃性も備えた冷媒R32の普及を図るため、同冷媒に関連する同社の特許を無償開放した。

    ②インバータ技術をライバル企業へ供与

    省エネ効果の大きいインバータ空調機の技術を、中国最大の空調機メーカーである「格力電器」に供与した。

    以上